安芸国のある地域、葬式衣装が少し変わっている。
変わっていると言っても、見た目はさほどわからないが、正座をすると分かる。
参列者は全員足袋を履いていないのだ。
夏だろうが、冬だろうが履かないのだ。
理由は多々あるようだ。
足袋を履くのを忘れるほど悲しんでる、死がたびたひ起こらないようになど。
少々、語呂合わせのような気もするが・・
素足でぞうり、素足で靴。
やはり異様な光景であり、嫌でも目に止まる。
ちなみに、これほ浄土真宗の安芸門徒の葬儀でのことである。
足袋と言えば、故人に履いていただく足袋には約束事がある。
この世とあの世は全く逆であるという観点から、足袋を左右逆に履いていただくのだ。
また、故人の掛布団も襟元と足元を逆さまに。
湯灌のぬるま湯は、湯に水を加えぬるめるのではなく、水に湯を加える。
かつては、夜間に葬儀を行っていたようだが、あの世が昼で歩みやすいという理由からのようだ。
葬儀は多くのしきたりや風習があり、どれも理由を聞くと納得させられる。
人は、どの地で最期を迎え送られるのか分からない。
やはり、生まれ育った地域の風習に近い送られ方の方が、心穏やかに旅立てそうだ。
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